子どもたちの夢を見守る天神さま ― 宮地天満宮の菅原道真公 ―

宮地天満宮の天神さまは、約400年間
この土地で生きてきた人々と、
子どもたちの願いと祈りを受けとめ歩んできました。
天保の大きな飢饉のあとは、
「子どもたちがどうか無事に育ちますように」
そんな切なる祈りと共に再びおまつりされたのが、
ここ宮地の菅原道真公です。
子どもたちを見守る天神さま
宮地天満宮のご祭神・菅原道真公は、
学問・誠実・努力の神さまであると同時に、
この宮地の地では「子どもたちを見守る天神さま」として、
長く大切におまつりされてきました。
江戸時代の天保年間、全国的な大飢饉がおこり、
ここ秩父でも子どもたちが亡くなり、多くの人々が苦しい日々を過ごしました。
先の見えない不安の中で、人々は天神さまに向かって、
「災いがおさまり、子どもたちが健やかに育ちますように」
と祈りを込め、この宮地の天神さまを再びおまつりしたと伝えられています。

願いの梅の木
かつて境内には、一本の梅の古木がありました。
梅は道真公の象徴ともいわれる木です。
初天神の日には、子どもたちが紙に願い事を書き、
その梅の枝に結びつけていました。
まるで梅の花が、子どもたちの夢を一つひとつ抱きしめているかのように——
その光景は、宮地の人々の心に、今もあたたかく残っています。
未来を願い、そして預ける
宮地天満宮にお参りすることは、
ただ「合格祈願」をするだけではありません。
・子どもたちが、のびのびと夢を描けますように
・家族が、笑顔で毎日を過ごせますように
・大人もまた、自分の夢を思い出せますように
そうした願いを、そっと天神さまに預ける時間でもあります。
静かで小さな境内で手を合わせると、
忙しさの中で忘れていた「大切な気持ち」を、
ふと思い出す方も多いかもしれません。
宮地という土地で、苦しい時代を乗り越えながら、
子どもたちの未来を願って守られてきた天神さま。
そのご神前に立つと、
「今を生きる私たちも、きっと大丈夫」という
小さな勇気が胸に灯る——
宮地天満宮は、そんな場所でありたいと願っています。