菅原道真公と”梅”
むすびの梅
むすびの梅
道真公と深い縁で結ばれている梅
宮地天満宮の天神さまは、菅原道真公(すがわらのみちざねこう)です。
道真公は、学びを大切にし、まっすぐな心で生きた人として、今も多くの人に慕われています。
そして道真公と深い縁で結ばれているのが――梅です。
昔、道真公は梅の花をとても愛していたと伝えられています。
遠く離れた場所に移ることになったときも、梅を想い、梅に想いを託す歌を残したほどでした。
その想いは時を超えて、人々の心に残り、いつしか梅は「天神さまの象徴(しるし)」のように語られるようになります。
梅は、寒さの中でもいちはやく花を咲かせます。
まだ春が来ない時期でも、静かに、しかし確かに――「もうすぐだよ」と知らせてくれる花。
だからこそ、学びや挑戦の途中で、少し自信をなくしてしまう時にも、
梅はそっと背中を押してくれる存在なのかもしれません。
宮地天満宮でも、梅は特別な意味を持つ花です。
願いごと、学び、芸事、武の道。
それぞれの道を歩く人が、「自分の心を整え、願いを結ぶ」ために、梅に手を合わせてきました。
どうかあなたの願いも、梅の花のように。
静かに、力強く、実を結びますように。
菅原道真公と「梅」の代表エピソード
1)「東風吹けば…」の和歌(別れの歌)
道真公が大宰府へ向かうことになった時、京都の自邸の梅に語りかけるように詠んだ歌として伝わります。太宰府天満宮もこの歌を、飛梅の物語の中心として紹介しています。
太宰府天満宮|全国天満宮総本宮
東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花
あるじなしとて 春な忘れそ
意味はだいたい、
「東風が吹いたら、梅よ、香りをこちらへ届けておくれ。主人がいなくても、春を忘れないで」
…という、切なくてやさしい呼びかけです。歌の形は、資料によって結びが少し違い、『拾遺和歌集』と『大鏡』の両方に載ることも知られています。
kangin.or.jp
2)梅が一夜で飛んだ「飛梅(とびうめ)伝説」
この歌に応えるように、梅の木が道真公を慕って一夜にして大宰府へ飛んできた――これが有名な「飛梅」伝説です。太宰府天満宮では、御本殿のそばの御神木として大切にされている、と案内されています。
太宰府天満宮|全国天満宮総本宮
+1
そして飛梅は、**極早咲きの「色玉垣」**という品種で、境内の梅に先がけて花を咲かせ、春の訪れを告げる…と説明されています。

